お行儀のよいこと悪いこと
足でものを移動させたり、足でものを扱うのはお行儀の悪いこと。
日本の水洗トイレのレバーも、和式のものも、洋式のものもレバーは手で押すようにと教えられてきた。
レバーが高い位置にある洋式はさておき、和式のトイレのレバーなんて、足元にあるんだから足でやっちゃったほうが全然便利だと思うけど、ほかの人が手でレバーを押してるなら、私が足でやるのも申し訳ないと、手でやったこともある。
実際、みんなが手でやってるかどうかは非常に疑わしいと思うけど。
だいいち、レバーなんて形が『足ででもできますよ!』と言っているようなもんだと思う。
足でやっちゃいけないなら、足では届かない位置のボタンにでもすれば、それで済むことなのに。
さて、足とは全然関係ないことのように思えるが、きのう、床拭きバケツと、モップのセットを購入した。
これ、手を使わずにぜーんぶ足でできちゃうすぐれものセット。
(モップを動かすのは当然手だけど。)
日本にも通販なんかであるかも。(おくれてるぅ!かも。)
イタリアにあるのはずいぶん前から知っていた。
ひょうたん型になったバケツの一部にカゴがついていて、バケツのカゴの部分の下についているペダルを踏むと、カゴがびゅんびゅん回り、その遠心力でモップに含まれた水分を飛ばす、っていうシステム。
そうすると、かがんで手で雑巾をしぼらなくても、ずーっと立ったまますべての作業ができるってわけ!
じゅうぶんに水分が飛ばないいじゃないかとか、いろいろ疑ってたけど、けっこううまくできてる、これ。
お掃除っていうのは魂を磨くもの。
ココロを込めて丁寧に。
おしんのように冷たい水で手を真っ赤にしてするのがうつくしい!というのも分からなくはないけど、大事なのはおうちがきれいで清潔なこと。
足だってじゃんじゃん使っちゃお!
それに、足でものを扱うより、もっとお行儀が悪いと思うのは、電車の中でお化粧してるあれ!(急に思い出した!)
あれって、いつからふつーのことになったの??
下地クリームからファンデーションから、アイラインまで。
でてくる、でてくる、つぎつぎに。
電車が揺れてもちゃんとアイライン引けるんだから神技と言ってもいいね。この間日本に帰った時にのり合わせた電車の子はツケマツゲまでつけてた。
私とマルコが好奇心でじーっとその女の子、見てたけど、見られていても全然平気なんだね?
びっくりしてしまった。
トイレのことをパウダールームともいうように、おしろいを塗るのは、人に見られない場所でするべきなのに、勝手な推測だけど、そういう女の子のお部屋は、きっと汚くて、ちらかった部屋に住んでいるんだろうな。
イタリアでは黒人の春を売る職業のお姉さんが、おつとめに行くのに、夕方地方の街から街の中心地に向かうバスの中でお化粧をし、服まで着替えていたことがあるけれど、それ以外、そういうシーンに遭遇したことはないし、ちょっとはみ出した口紅なんかをなおすだけなら、おちゃめに見えてかわいいけど、ぜーんぶ電車の中でやっちゃうのはいただけませんねぇ。
そのツケマツゲガール、ツケマツゲをつけ終えたら私たちにこう言った。
『きれいになりました、私?』
わたしは、バカじゃないかと思ったけれど、正直にバカに見えるよ、というのもばかばかしいので
『おうちでするほうが、きっときれいになるし、エレガントよ。』と言ってやった。
『ふだんはうちでするんですぅ・・・』
といっていたけど、普段うちでする人はあんなにおおきなビューティーポーチ(というよりバッグだね)や大きな折り畳み鏡、持ち歩かないよ。
うそつき。