ね こ ろ ぐ

イヌのココロを持ったネコ。イタリア暮らし。ドラマチックな毎日をつづっています。

たのしい話題を毎日提供してくれるイタリアの政治

 どの国もなかなか国民を納得させてくれる政治家がいないようで政権が次々に代わっていくけれど、ここイタリアもけっこう大変。

 素晴らしい指導者というのは指導者になって、やろうと思ったことが良い結果を出して、さらにその結果がより多くの国民に受け入れられ、初めて、わかることであって、広い意味で、最初から本当にいい指導者かどうかって判断は難しい。

 

 ヨーロッパはとくに『右か左か』という話が日常生活の中で頻繁に行われる。

わたしなんかはこんな問題が起こっている時代に、右や左だといって敵対している場合ではなく、必要なことをやっていかなければいけないと思うんだけど、どこの国も、国民のための政治というか、せんせー方は自分たちの政治をするのに忙しいようだ。

一度政治家になっちゃうと、誰もやめたがらないし、子子孫孫までその世界で生きていこうとするのだから、政治家というのはよっぽど楽しいか、メリットのあることなんだろうなと、私なんかは思ってしまう。

中には情熱をもって世の中をよくするために、寝る間も惜しんで自分の心念を全うしている政治家もいるだろうけれど、それにもまして、一個人である自分のアイディアが世間に受け入れられ、実現する、ありがとうと言ってくれる人がいるというのは、苦労に勝る快感なんだろう、きっと。

イタリアの前首相にベルルスコーニという元気なおじさんがいるが、彼はひとえに自分のために法律を作り替え、彼にとって住みよいイタリアづくりを目指している。

前のブログにも書いたけれど、イタリアでは政治家の公金横領を罰する法律が去年までなかった。

国会議員でなくとも地方議員でさえ、『今日は雪が降ったから・・』といって公用車に流行りの大型の4輪駆動を買い、自分の別荘の電球を取り換える費用さえ、公費で落としていた。

当然発覚したら高い税金に苦しむ県民からブーイングが出て、解雇され、てんやわんやの末、去年できた法律のおかげで刑務所にぶち込むことはできたんだけれど、3ケ月もたてば自宅軟禁に代わり、結局このオヤヂは拘束されている身の上とはいえ、自分のベッドで眠り、家族が作るご飯を食べ、クリスマスのプレゼントにもあやかったに違いない。

イタリアにはも一つ、厄介な法律があって、上記のオヤジのような犯罪者でも政治家に立候補できる。

また現職の政治家である限り、どんなに真っ黒い疑いがもたれても、刑務所に入れられることはなく、公務が理由であれば、公判にもいかなくていい。

ベルルスコーニおじさんが政治家であり続けたいわけはその辺にもある。

そのための彼の努力もなかなかのものでお歳は80歳前後だったかと思うが、整形手術をして不自然でない程度に常にしわを伸ばし、植毛し、テレビ画面に映るときには、歌舞伎メイクほどの厚塗りのファンデーション、しっかり描いた眉で国民に『まだまだ若くて元気!』という好印象を与える努力を惜しまない。

余談だが、笑い話があって、ベルルスコーニのスピーチするテレビ画面を見ていたイタリア人の子供が、引っ張りすぎて、目のつりあがったベルルスコーニの顔を指さし、父親に

『パパ。この中国人は誰?』と聞いたそうだ。><

 

 手術や植毛は痛いだろうに、さすが、メディアの王様でもあるから見かけをつくろうことも怠らない。

さらに男性機能も、おなかにポンプみたいなのを入れてあって、ちょうど、盲腸のあたりをぺこぺこ押すと、機能するようになっているらしい。

おじさんのほうもおじさんだが、彼の今のガールフレンドといわれる27歳の女性もなんだかモンスターな感じだ。

こんなオヤヂがたくさんいる友達の一人だったら、面白いかもしれないが、一国の首相になるというのは大変だと思う。

イタリア人の友人は、外国に遊びに行って、外国人の友人からベルルスコーニの話題がでないことがなかったことはない、と困っていた。

でもどのイタリア人に聞いてもベルルスコーニに投票したという人はいなくって、それなのに彼と彼の率いる政党が与党を占めていたというのもイタリアのミステリーだ。

さあ、今度はどうなるかな。