ね こ ろ ぐ

イヌのココロを持ったネコ。イタリア暮らし。ドラマチックな毎日をつづっています。

さかなを食べないネコ

 今はもうすっかりマルコんちの土と化しているはずのシャンプー(猫、チンチラぺるしゃ、あの猫缶のCMに出てくるロンゲのこ)は最初の5年くらいを日本で過ごした。

 シャンプーはお魚好きで

『シャンプーちゃん、今日は法事よ!』

というと

『今日は猫のお祭り!』

と思っていたに違いない。

だって、法事のお食事の余ったお刺身を私がたっぷり持って帰ってくるから、本物のマグロをミディアム・レアにしたものをたくさん食べることができたから。

 

 それでなくても、シャンプーはお魚が好きだった。

 

 シャンプーから遅れること10年、しましまのマルちゃんが我が家にやってきた。もうその時は今のフィレンツェのおうちに住んでいたから、法事になんて行くことがない。

 

 そのころ、もうすでにフィレンツェに引っ越してきていたシャンプーは

『最近、法事(=猫のお祭り)がないなぁ…』

と思っていたに違いないし、お刺身にできるような魚は高価なこともあって、

それにそれに、生き物の形の魚をさばくことができないわたしは(切り身ならいいんだけど、切り身じゃあ売ってないんだよねぇ、ココ)、当然ここにいては我がニャンコたちに、新鮮なお魚をたっぷり食べさせてあげることのできない、そういう環境で生まれ育ったマルちゃんはおいしいお魚の味は知らなくて、主に肉食で育ってきた。

 ある日、余ったローストにしたスズキの身をマルちゃんのお茶わんに入れた。

おいしい白身のお魚を食べさせてあげようと思って。

マルちゃん、恐る恐る近づいにおいを嗅ぐ。

悲しそうにわたしの顔を見る。

お茶わんから遠ざかる。

『マルちゃんには食べられへん。』

そういってるみたい。

なんでやのん、マルちゃん。

猫の缶詰のお魚味のはたべるやん。

なのに、ホンモノのお魚は食べへんのン???

 

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 そのマルちゃんがお魚を食べるようになったのは、その数年後、かつお節を食べてから。

はぐはぐ、ぱりぱり。

厚めに切ったかつお節はおいしかったのだと思う。

 

 明日は、マルちゃんが死んで3年目。

なぜ覚えているかというと、明日、6月2日はイタリアの休日。

休日診療の獣医さんを探してあちこち電話を掛けたから…

 

 きょう、コムギに残り物のお魚の白身をあげた。

8か月のにゃん生、今日初めてホンモノのお魚。

コムギ、マルちゃんみたいに私を見上げ、お魚のお皿を横目で見ながらいつものカリカリを食べる。

 

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