ね こ ろ ぐ

イヌのココロを持ったネコ。イタリア暮らし。ドラマチックな毎日をつづっています。

歯医者さんは自国で

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帰ってきました…(イタリアに)

今や、日本に向かうのもイタリアに戻るのもどちらも『帰る』という表現になってしまい、この国で過ごした時間と、人生における大事さが、日本と同じくらいか、それ以上になったのかもしれないと、なんだか複雑な心境です。

 

ときどき、

『もう日本には帰ってこないんですか?』

という質問を受けるけど、

『とくに考えていません。』

という返事をすることが多い。

 

それっていうのは、昔に比べて、航空券が安くなったこともあるし、飛行機で移動した回数がものすごーく多くなったから、12時間乗るっていうことが、自分の中で普通のことになってきたからかもしれない。

でも、いつまでたっても、スーツケースに荷物を作ったりするのが嫌いなので、バッグ一つ、手ぶらで行けたらどんなにいいかと思ってしまう。

 

わたしを訪ねてきてくれる人たちは、たまになんだから、おいしいものを食べさせてやろう、と思ってくれるので、

日本の、しかも自分でだったらきっと買わないような、桐の箱に入った梅干しや、有名店のお菓子、高級料亭の食材なんかを携えてやってきてくれる。

非常に、ひじょーに、ありがたいし、うれしい!!(T_T)

 

でも私が日本に帰るときは、やっぱり、そういう人たちにお返しもしたいし、よろんこんでほしいから、何がいいかと考えるんだけど、ところが、相手はひとりじゃなーい!!

自分の荷物以外に持って行ける容量と重さ、(最近厳しーしね、

スーツケースの中身を入れたり出したりして、制限重量ほぼぴったりにして持っていく。まるでパズルのよう。)

そして、それらを持って歩ける自分のキャパも考えなくちゃいけない。

出発がちかづいて、日々そういうことをうんぬん考えると、もう出発するのを取りやめたくなってしまう。ふー。

 

 

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今回は思い立って歯医者さんにも行った。

もう、10年以上も前に、イタリアの歯医者さんでインプラントした歯の具合が思わしくなく、再び同じ人にやってもらうよりは、日本でかねてから通っていた歯科大の先生にやってもらおうかという考えがあって、

でも、歯の治療は時間がかかるし、わたしはずっと日本にいるわけじゃないし、この数年は1年のうち、2回ほど帰国するだけ。

そんな条件でもできるかどうか、

ちょっと、アドバイスしてもらうつもりで行ったのだけど、言ったその日に型取り。

次に行ったときに2本のインプラントを抜いた。

 

先生は、わたしは作業の様子を見てないと思ってるけど、顔の上にある照明器具の真ん中に渡った金属製のバーに、魚眼レンズで見たようにゆがんで私の口元がぼんやり写っていた。

血まみれ!

恐ろしい、見えなくてよかった、と思う半面、ホラーな感じが自分の写真としてはレアだろうなと、写真でもとってもらおうかと、ふと、思ったけど、あいにく、口の中の作業だからしゃべれなかった…

 

歯を抜いた後は顔が結構腫れるもんだ。

わたしは歯医者さんのお得意さんなもんだから、今までにもそういうことが何度かあった。

イタリアの歯医者さんは『今日はジェラートを食べろ』という。

そりゃ、かまなくていいし、冷たいからいいのかもしれない。

 

でもこのMY歯医者さんは、

『腫れるのが嫌なら、ご飯を食べてください。かまなくてもいいから普段よりもたくさん食べてください。おにぎり3個、飲み込んじゃえ!』

と無茶なことを言う。

『おかゆもうどんも、ラーメンもダメ。今日はごはん!』

そういわれて帰ってきた。

素直なもんで、言われたとおり、おにぎりじゃなかったけど、白飯をちょっとすべりがいいように、卵かけごはんにして食べた。

翌朝もご飯と明太子で食べた。

不思議なことに、ほとんど腫れなかった。

イタリアで歯の手術をしたときはジェラートを食べても、1週間近く、顔の輪郭がゆがんでいたのに。

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日本で歯医者さんに行って、歯を抜いた話をこっちで友達にしていたら、

デンマーク人のヘレンもこの間、デンマークに帰った時に歯を抜いたらしいわよ、顔が半分腫れたまま飛行機に乗ったから、きっと整形手術が失敗したんだと、思われたんじゃないかって心配してたわ、ということだった。

そういえば、ベルギー人のクレールちゃんも、ベルギーに帰ったら歯医者さんに行くと言っていた。

どうも歯の治療というのはそれぞれ自国でやるものなのかもしれない。

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