『普通』の定義
「コンドウさんって、普通のコンドウって漢字ですよね?!」
「はい、普通のコンドウです、よろしくお願いします。」
コンドウさん宛てに送ってもらう荷物の確認の電話だった。
で、届いた宛名には
『金堂さま』
と書いてあったそうな。
近藤氏から、大笑いして電話がかかってきた。
電話の主にはフツーのコンドウはどうも『金堂』と書くらしい。
確かに、『混同さま』よりはフツー度合いは高いかも知れないけれど。
『普通』というものさしほど、あいまいなものはないと思う。
日本人同士でもそうなんだから、いろんな国籍の人が混じって暮らしているここでは、普通の定義はもっと難しい。
何年か前、デッサンを描きに行っているとき、あるとき、イスラエル人のモデルさんだった。
まだ若い女の子で、一緒に描いていたやや年配の女性が、彼女に
『イタリアにいると安心でしょ。戦争がないから・・・』
そういうと、
『誰も心配してないのよ。戦争はその地区でしかやっていないから、私たちの暮らしは、普通よ。』
そう、若い彼女が生まれるずっと前から、その戦争はあったし、神様が与えてくれた土地、ということで戦ってるなら、その神様が生まれたときからの争い、ということになる。
ながいなぁ・・・
中国人はアフリカ大陸の土地をオーストラリア大陸と同じ広さ分買っているというのに、そこは話し合いか、じゃんけんか、買取でなんとか解決しないのか???
うむ。
自分が普通だと思っていることも、相手にとっては普通でないことがよくあるわけで、『普通』を話するときには、相手の『普通』のものさしをあてながら話しなければならない。
さて、下の写真のお料理は1人前だが、それが普通かどうかはものさしではなく、胃袋ではかっていただきたい。
このあたりでは最近ちょっとハンバーガーがはやりで、しかも、マックやなんかのとはちがって、トスカーナ産キアニーナ牛のみで作られたハンバーグで、焼き加減も聞いてくれる。
値段も高い!(これは財布で測ろう!)
写真のレストランはシエナ郊外で、完全に有機農法で生育させたキアニーナ牛を使っている。
チンタセネーゼという、逆さパンダ柄のぶたさんもいた。
その農場のどこかで殺してるんだと思と、ちょっと、こころが痛むけれど、柔らかくて、くせのないお肉はおいしかった。
お皿に乗っているのは、タルタルと、ローストビーフと、ハンバーガーで、ハンバーガーのうえには、目玉焼きとトリュフがかかっている。
ハンバーガーのバンズは結局食べられなかったよ。
レストランは牛舎だった建物をそのまま使っている。
鉄のパイプで仕切られたひとつが1匹の牛さんのスペースだったということになる。
水やえさを食べていたところにガラス板を渡してテーブルにしている。
やー、もう来年くらいまで、ハンバーガーは食べなくてもいいです。わたし。